■アベノミクスで大打撃
「円・ドルの為替レートが7%の円安・ドル高になった場合、韓国の輸出は6%以上減少する」。
韓国の民間シンクタンクが、こんな予測をしていると言います。アベノミクスは、中長期的には日本の産業競争力の強化につながり、韓国企業が苦戦するというのです。
(ソース)
・聯合ニュース:アベノミクス 韓国経済に大きな打撃=現代経済研究院
(2013年2月3日)
クレディ・スイスなどは、円安で日本の自動車・電子機器の輸出競争力が高まるため、韓国は苦戦を強いられるとみています。
・【韓国経済危機】「アベノミクス」に韓国悲鳴(2013年)
■輸出中小企業、円安の「限界レベル」超える
円・ドル相場が韓国中小企業の輸出競争力確保に必要な「限界水準」を既に超えたことが分かったと言います。1ドル=110円まで円安が進んだ場合、中小企業の総輸出額は14・4%減少すると予測されています。
大韓商工会議所が輸出中小企業500社ほどを対象に実施したアンケート調査によると、中小企業が輸出競争力を確保できる下値支持線は1ドル=101・1円との結果が出たそうです。5月22日には、1ドル=102・5円まで円相場が下落したため、多くの輸出企業が円安の影響を避けられない状況に陥っています。
■財閥もピンチ
中小企業だけでなく、財閥もピンチです。英フィナンシャル・タイムズ紙の4月の報道によれば、韓国の大企業・財閥の業績も、悪化し始めています。韓国では、借入金の比率が高水準にあり、2012年下半期には大手12財閥のうち4財閥で利払い金額が営業利益を上回りました。
■円安でも為替介入できないのが実態
いくら円安が進んでも、韓国には打つ手が限られています。ウォンと円は直接交換する市場がないためです。
ウォン・円の為替相場はウォンと円の対ドル相場で自動的に決定します。両国の通貨価値を直接決定する市場がない以上、政府による直接介入は不可能。対ドルでウォンの価値が過度に変動した場合には、政府がドル売り、ウォン売りといった形で市場介入を行うこともできますが、円安にはそうした対処方法がありません。
・【韓国経済の実態】輸出中小企業、円安の限界レベル超える(2013年)
ただでさえ経済危機と言われる韓国経済。かなり厳しい状況が続きそうです。
(2013年6月5日更新)