■ウォン、対円で急上昇
ウォンの為替レートは、2012年10月~12月期に入って急上昇。上げ幅は9.3%と、2001年10~12月期以来11年ぶりの高水準を記録しています。
(ソース)
・サンケイビズ:韓国ウォン、対円で急上昇 大統領選2候補、為替介入に反対
(2012年12月7日)
韓国大統領選の候補2人は、いずれも為替介入には反対。その一方で、自民党の安倍総裁は、金融緩和政策を主張しています。こうした背景があり、円安ウォン高が進んでいるようです。
現在の為替レートは、1ウォンが0・078円程度になっています。
・為替チャート(韓国ウォン/日本円)
http://chartpark.com/fx-krw.html
為替の変動を受けて、海外では、韓国製品の価格が上がり、日本製品の価格が下がっています。これまで日本が苦しめられてきた構図が、今度は韓国を苦しめています。
・【韓国経済危機】「ウォン高」で輸出産業が悲鳴
米国は、韓国の為替介入に反対しています。
韓国経済危機は、かなり厳しい局面を迎えたように思います。
■輸出中小企業、円安の「限界レベル」超える
円・ドル相場が韓国中小企業の輸出競争力確保に必要な「限界水準」を既に超えたことが分かったと言います。大韓商工会議所が輸出中小企業500社ほどを対象に実施したアンケート調査によると、中小企業が輸出競争力を確保できる下値支持線は1ドル=101・1円。2013年5月22日には、1ドル=102・5円まで円相場が下落したため、多くの輸出企業が円安の影響を避けられない状況に陥っています。
■円安で韓国車のシェアが低下
米国で、現代・起亜自動車のシェアは、円安が本格化した2012年第4四半期(10-12月)から低下が目立ちます。2013年1-4月の販売台数は、前年同期比2.0%減の40万2133台。
■円安でも為替介入できない実態とは
ウォンと円は直接交換する市場がありません。ウォン・円の為替相場はウォンと円の対ドル相場で自動的に決定します。両国の通貨価値を直接決定する市場がない以上、政府による直接介入は不可能。為替当局の関係者は「ウォン・円相場を調整するためには、ウォン・ドル市場、ドル・円市場に同時に介入しなければならないが、それは不可能だ」と述べているそうです。
円安で大きな打撃を受けても、打つ手が限られているというのが実態のようです。
・【韓国経済の実態】円安で対日貿易赤字が増加(2013年)
(2013年6月9日更新)