このNHKの番組は、「マスコミが低線量被曝のリスクの可能性を示唆した」ということで、大きな意味を持ちます。何がわかっていて、何がわかっていないのか。これを明確にする必要があると考えたので、要約をつくってみました。
・番組名:NHK「低線量被ばく 揺らぐ国際基準 追跡!真相ファイル」
・放映日時:2011年12月28日(水)22時55分~23時23分
→番組の動画はこちら→「低線量被ばく_揺らぐ国際基準_追跡!真相ファイル」(Dailymotion)
*削除されました。
【番組のテーマ】
・「生涯100ミリシーベルトの被曝までなら安全」という説には根拠がない。これは、言い出したICRP自体が認めている。
【スウェーデン】
・年間0.2ミリシーベルトだったが、34%ガンが増えた→食べ物の影響と考えられる。
・トナカイの肉の規制値は1キロあたり300ベクレルだったが、ガンは増えた。
→ICRPの「低線量なら影響なし」の説と相反する。
【アメリカ】
・イリノイ州シカゴの原発周辺。
・原子力発電所の排水に放射性トリチウムが含まれている。
・周辺の住民20年間1200万人の病気の履歴を分析
→他の地域と比較して、脳腫瘍・白血病30%以上増加。小児ガンは2倍だった。
→低線量でもガンは実際に増えた。
【被ばくとガンの発生・発症率】
・100mSvの放射線を浴びると、0.5%ガンの死者が増える。
・1万人→50人ガンで死ぬ。
・100万人→5000人の死亡。
【低線量のリスクは、ある?ない?】
・安全かどうか、意見は分かれる。
・ICRPの「低線量はリスクが少ない」には根拠なし。ICRPのスタッフ自身が認めている。
・500ミリシーベルトの被ばくで5%がガンに→この事実がわかったのに、ICRPは、それをなかったことにした。
・基準が厳しくなれば、核施設の運営・仕事に支障が出るので、リスク基準の厳格化にICRPは抵抗した。
・原発労働者などには特別な基準を作成→核施設の労働者により多くの被曝をさせられるようにした。
・結果として、アメリカの核施設の労働者に、ガンなどの健康被害が出てしまっている。
・ICRPの予算は、原子力を推進する各国の団体がまかなっている→ICRPは、原発推進側の団体。