■ウォン高円安で赤字企業続出
韓国では、ここのところのウォン高円安で、赤字になる企業が続出しているようです。
ウォンは、対ドル相場が1月11日、1年5カ月ぶりに1ドル=1050ウォン台まで上昇。対円では、2年8カ月ぶりのウォン高円安水準となる100円=1100ウォン台を付けました。
大韓貿易投資振興公社が行った調査によると、耐えられるウォン相場として、大企業の半数以上が1050ウォンと回答。韓国貿易保険公社の調査では、輸出中心の中小企業の損益分岐点となる為替相場は、1102ウォンとの結果が出ているそうです。
これらの調査結果にもとづけば、輸出に依存する韓国企業の中には、「黒字ゼロ」か「赤字」に陥っている会社が続出しているものと見られます。
(ソース)
・朝鮮日報:ウォン高円安、韓国の輸出競争力に影響懸念
(2013年1月14日)
自動車業界については、1ドル=90円水準まで円安が進めば、韓国企業の価格競争力が落ち、大きな打撃を受けるとされています。
・【韓国経済危機】急速な円安で輸出企業はパニック?(2013年1月)
為替相場は、1ドル90円目前。韓国企業にとって、日本企業が大きな脅威となりつつあります。
■円安で対日貿易赤字が増加
円安の影響で2013年に入ってから韓国の毎月の対日貿易赤字がかさんでいます。
日本の財務省が公表した2013年4月の貿易統計によりますと、韓国の4月の対日貿易赤字は2482億円で、前年同月比45・7%、前月比で3・6%それぞれ増加しました。2013年1月には888億円だった対日貿易赤字は、2月に1336億円、3月に2395億円と4月までに3カ月連続で拡大しています。
■輸出中小企業、円安の「限界レベル」超える
円・ドル相場が韓国中小企業の輸出競争力確保に必要な「限界水準」を既に超えたことが分かりました。
大韓商工会議所が輸出中小企業500社ほどを対象に実施したアンケート調査によると、中小企業が輸出競争力を確保できる下値支持線は1ドル=101・1円。5月22日には、1ドル=102・5円まで円相場が下落したため、多くの輸出企業が円安の影響を避けられない状況に陥っています。
・【韓国経済の実態】円安で対日貿易赤字が増加(2013年)
ウォン高円安のレベル的には、韓国経済がもたない水準になりつつあるように感じます。
(2013年6月9日更新)