東洋経済の記事に入る前に、大手3社の牛乳からのセシウム検出状況について触れておきたいと思います。
(2011年12月7日更新)
【メグミルク、明治、森永の牛乳から、続々とセシウム】
市民団体TEAM二本松の独自検査によれば、雪印メグミルク、明治乳業、森永乳業の牛乳から、続々とセシウムが検出されました。(2011年11月)
・メグミルク:39ベクレル
・明治おいしい牛乳:26ベクレル
・森永牛乳(宅配専用の180ml瓶):18ベクレル
※数値は、1キロあたりの放射性セシウム。
*TEAM二本松のHPより。
TEAM二本松は、粉ミルク「明治ステップ」の放射能汚染を告発したNPOとして知られます。
【メグミルク、明治、森永の放射能対策】
メーカー各社の放射能への対策が次の外部サイトで整理されています。
・食品企業の放射能対策、主要35社アンケート-多くの企業が政府まかせ、後ろ向きの情報公開(東洋経済): 日々雑感
今回は、この中から牛乳メーカーをピックアップして、放射能への対策をまとめてみました。
【3社とも、独自検査を実施】
サンデー毎日で同様のアンケーートを行った際には、牛乳の独自検査を実施していたのは雪印メグミルクだけでした。今回の調査では、明治乳業も、森永乳業も独自検査を実施しているようです。
【3社とも、福島産の原乳を使用?】
メグミルクについては、福島の原乳を使用していることを明言しています。明治と森永も、言葉はぼかしていますが、全国の原乳を使っていると回答しています。
【独自基準はない模様】
消費者がもっとも気になることの一つが独自基準であると思います。乳製品のセシウムの暫定規制値は1キロ当たり200ベクレル。これはちょっと高すぎなのではないでしょうか。ドイツ放射能防護協会などは、大人8ベクレル、青少年・子供4ベクレルを提案しています。
せっかく独自検査をしたりしてくれても、暫定規制値の200ベクレル未満かどうかだけを検査しているのであれば、残念です。ドイツ放射能防護協会並の独自基準を打ち出してくれれば、安心して牛乳を飲むことができるように思うのですが。
【検査方法の改善を】
自治体の検査では、CS(クーラーステーション)単位での放射能測定を実施しているようです。この方式ですと、いったん農家から集められ、混合されてしまってからの測定になってしまうのではないでしょうか。本来は牛別に検査を行い、セシウム等で汚染された原乳を、元から絶つのが根本的で効果的な対策であるように思います。